NIKEが返品されたスニーカーをアップサイクルして再販売へ2021.06.21
サスティナブルなモノやコトが注目される中、アメリカの大手スポーツ用品メーカーのNIKEが返品された中古品の販売を開始しました。ニューノーマルで進むアップサイクルの流れ。ファッションはどう変わっていくのでしょうか。
誰もが知る超有名スポーツ用品ブランドと言えば、ナイキを挙げる人は大多数でしょう。そのアメリカの最大手のナイキが、購入から60日以内に顧客が返品したスニーカーを『点検・洗浄して低価格で再販売する』プログラム『リファービッシュド(Refurbished)』を立ち上げたと発表しました。
ナイキにとってもメリットが多い
当然のことながら主な目的としては、ほぼ石油由来の材質で形成されるスニーカーの廃棄による温室効果ガスの削減や、環境面を配慮した動きです。そして、また活況を見せる中古スニーカー市場にブランドが自ら参入するという新しさもあります。アウディやBMW、メルセデスベンツの認定中古車市場のように、中古市場でも自社ブランドで収益化をはかる思惑もあるのかもしれません。
スニーカーは多数の部材で構成される
この返品したスニーカーを点検・洗浄して低価格で再販売するプログラムのリファービッシュドは、ナイキの旗艦店15店舗で販売を開始し、以降さらに多くの店舗に拡大する計画とのこと。
いろいろな素材で形成さえるスニーカーは複雑な構成をしており、簡単に分解しサスティナブルな方法でリサイクルができません。持続可能というキーワードに対して大きなウィークポイントでもあります。
高級スニーカーの中古市場が活況
中古スニーカー市場はここ最近活況をみせており、特に高級品に人気が集まっています。コレクターのコレクションや投資や転売目的も多数存在します。ある統計によると現在の転売市場で販売価格が高いスニーカー上位12点のうち11点がナイキブランドだったようです。
サスティナブルな企業を目指す
今後、ナイキはアップサイクルされた自社スニーカーの価格は、モデルと状態を踏まえて決定されるとのこと。
中古市場でも人気のナイキが、その分野に参入することはメリットが大きいと言えます。中古市場ではいくら売買が多くあってもブランド主であるナイキには一銭も入りません。自らが新たな中古市場を開拓することで、取りこぼしていた売り上げを確保できる一方、環境問題やサスティナブルな動きに敏感に反応したブランドとして、ブランドイメージ向上にも役立ちます。ナイキは、ある調査で世界で最も価値のある衣料ブランドに7年連続で選ばれています。そんなブランドだからこそできる新たな取り組み。確かに、お値打ちであれば、新古品という認識で全然アリですね。
文:RIRISEA
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