クラシックカーを電動化して『アップサイクル』イギリスの新興企業の挑戦2021.06.20

筆者は常日頃、古き良きデザインに、最新の機能があれば良いのにと思っている口です。007のジェームス・ボンドが乗る古い流線型のアストンマーティンに最新の設備、機能が搭載されているような…。しかし、すでにそんな事業に乗り出している企業があるのです。
世の中には古き良きものが溢れています。ニューノーマルの中、サスティナブルの波に乗り、そんなクラシックなもの、レトロなものが再注目されています。デザインは普遍とはよくいったもので、素晴らしいデザインはどの時代でも輝きを放ちます。一方、機能は日々進化しています。新しく便利で使いやすい機能が次々開発されています。特にコンピューターの分野は進歩が早く、今年と去年ではその機能は全く別物かと思うぐらい進化しています。
クラシックカーを電動化
古き良きデザインに、最新の機能と設備のある車。あればいいのにと思っていましたが、イギリスでそんなことを実現するスタートアップ企業がすでにありました。それが、電動化によってクラシックカーに新たな命を吹き込む英新興企業ルナズ(Lunaz)です。しかもすでに世界の大物投資家から大注目で、ルーベン家やバークレー家、アレクサンダー・デラルなどから出資を受けています。なんとイングランド代表の元サッカー選手のデービッド・ベッカムも出資しているとのこと。
このルナズ、2019年と創業まもない企業ですが、その評判はすこぶる高い。
同社のコレクションには、
およそ60年前の1961年製のクラシックカー、
■ロールス・ロイス ファントムV
■ロールス・ロイス シルバークラウド
■ベントレー・コンチネンタル・フライング・スパー
■ジャガー
■レンジローバー
など名車が目白押しです。
どの車種も、サスティナブルな高級素材を使って修復され、クリーンでエコロジーな電気自動車(EV)として生まれ変わらせています。
デザインの再現性、機能性だけじゃない。
ルナズのこだわりはこれにとどまりません。エンジンはフォーミュラ1の世界チャンピオンに3度輝いたエンジニアのもと、設計製造されています。彼らの目的は、車両をアップサイクル(使わなくなったものに新たな価値を加えて生まれ変わらせること)することであり、持続可能な社会を目指しています。
アップサイクル
デザインの普遍性を生かし、アップサイクルしていけば、新車に置き換えるよりもコストを下げられます。ルナズによれば、地方自治体で利用されるごみ収集車を新車で置き換えるより、EV車にアップサイクルすれば、コストを約43%以上節約できる可能性があるとしています。クラシックカーのリブランディングだけがルナズのビジョンではなく、アップサイクル・再設計・電動化でサスティナブルな社会の実現を目指しているのです。
ビジネスパーソンとして、働く私たちにもとても刺激になるお話です。これからは、買い替えるではなく、アップサイクルして再利用していくビジネスやプロジェクトに果敢に挑戦する企業がニューノーマルで生き抜く企業となるかもしれません。
文:RIRISEA
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