ファッション業界で進むサスティナブルとは?2021.06.24
現在、海洋ゴミの問題が世界で議論されています。ファッション業界ではこの流れを受け、海洋ごみで作られるリサイクル繊維から新しいアパレル開発やデザインに取り入れようという動きが活発です。ニューノーマルにおける持続可能な社会の実現をファッション業界から検証します。
ニューノーマルな現在、サステナビリティ(持続可能性)というキーワードは、消費者たちが最も意識していることかもしれません。環境に配慮したモノを持つことはファッションのそれと同じくトレンド化し、各ファッションブランドが環境に配慮した素材やリサイクル素材をデザインに取り入れるようになりました。
今では、キノコから作られるマッシュルームレザーやパイナップルから作られるパイナップルレザーなどが高級ブランドに採用されていたりしています。そんな環境に配慮した『サスティナブル』な動きとして海洋ゴミを利用した繊維やプロダクトも注目を集めています。
海洋ゴミの実情
海洋ゴミの主な素材はプラスチック。なんと毎年800万トン以上のプラスチックが海に流れ込んでいます。さらに、海洋に漂流しているプラスチックは、1億5000万トンに達するとも言われています。
世間の関心から発展
このような事態に世間の目が向けられ、アパレルブランドは、商品を売るために、社会や環境に優しいプロダクトに注力を始めました。ある調査によると、サステイナブルに配慮した製品の市場売上は、アメリカだけでも2021年まで約16兆1200億円に達する見込みとのこと。サスティナブルなビックマーケットです。このようなファッション業界でのサステイナブルな動きのひとつにSNSマーケティングがあります。2019年頃から、インフルエンサーの間で『サステナブルなファッション』が言及された回数はなんと1.5倍に増えているということです。
各ブランドの動き
複数のファッションブランドが、海洋ゴミからリサイクルされた素材を、さまざまな形で商品として発表しています。スイムウェア市場では、エルスペースが、新たに環境に優しいスイムウェアのシリーズ展開を始めました。またマリンスポーツブランドのボディ・グローヴも、環境に配慮したスイムウェア・シリーズを発表。スポーツシューズ市場では、アディダスが「パーレイ」シリーズで、海洋ゴミのプラスチック廃棄物のリサイクル素材を採用しました。
再利用もさることながら止めるのも重要
海洋ゴミのリサイクルももちろん大事ですが、自らのビジネスと直接結びつかない海洋ごみの削減もとても大事なことです。消費社会において、サステイナブルなファッションや行動が単なるブームやトレンドだけでは終わらないように、各ブランドのその真価を消費者もしっかり見極めなければなりません。ビジネスとしてサスティナブルを利用するのか、本当に持続可能な世界の実現を目指したい企業なのか。とにかく、海は確実に傷んでいおり、我々の数倍の努力なくしては決してもとには戻りません。
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文:RIRISEA
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