ドライバーが街からいなくなる?無人配達ロボット、実用化に向けて。2021.05.14
1990年代に生まれたインターネットショッピングも、今となっては私達の生活には欠かせないものとなっています。
しかしネットショッピングを利用する人が増え続けている裏で、「荷物の受け取り」に悩む人も増え続けているのではないでしょうか。
受け取り時間指定の範囲が広すぎて自宅で身動きが取れなくなってしまったりと、技術は進歩し続けているのにも関わらず、なぜ受け取りだけはこんなにも原始的なのか…、と思う人も多いのではないでしょうか。
世の中に時間通りに商品を受け取ることが出来ている人は存在するのか、予定通りに配送を済ませることが出来るドライバーは全体で何割なのか、と疑問に思ったことさえありました。
もしも、荷物の受け取りが自動化すればどれほど楽なのでしょうか。そんな希望を叶える未来も遠くは無いのかもしれません。今回は、世界中で実用化に向けた動きが加速している、ニューノーマルな自動配達ロボットについて紹介をしていきます。
Amazon Scoutについて
アメリカでは、あのAmazonが自動配送ロボットの開発/実用化に乗り出しています。Amazon Scoutと名付けられた自動配送ロボットは、クーラーボックス程のサイズに、車両6輪という小柄な外見で、現段階では小型な商品のみの配送予定です。2019年1月から、アメリカのワシントン州にて試験運転が開始されており、2020年7月にはジョージア州とテネシー州でも配達サービスが拡大されています。
気になる安全性についてですが、
このAmazon Scoutは、走行中にゴミ箱やベンチなどの障害物に出会うと自動で避ける仕様になっており、走行中に転倒して商品を届けることが出来なくなることは無いとのことです。また走行実験は、晴れの日だけでなく雨や雪の日にも行われ、悪天候の中でも走行を可能にしている模様。
Amazon Scoutの課題
このAmazon Scoutを始め、自動配達ロボットが普及するために必要なことは下の2つだと予想することが出来ます。
安全性問題
さきほど安全性が確保されていることを記述しましたが、実は米国内でも比較的に都市部から離れた地点での走行実験に留まっているのが現状です。
都市圏など人や交通量が多い地点ではまだ安全性を確保することが出来ておらず、これから如何にして、この安全な走行が可能になるのかという点が鍵になります。
機体のサイズ問題
現状では、クーラーボックス程のサイズになっており、このままでは比較的大きなサイズの商品等を運搬することは出来ません。自宅のクロゼットに使う収納ケースなどは大きいので運べないことになります。
おそらく機体そのもののサイズを大きくするだけならば、比較的簡単に行うことが出来るでしょう。
しかしサイズを大きくするのならば、歩道か公道かなど、ロボットを走行させる場所を決定する必要があり、もしも公道を走らせるのならば、自動運転そのものの技術の進歩や、安全性を向上させる必要性が生まれてきます。
日本における自動配達ロボットの普及
現段階では、このAmazon Scoutはアメリカの一部の州とイギリス一部地域での試験運転のみとなっています。しかし、Amazon Scoutではありませんが、日本国内でも自動配送ロボットの実用化に向けた動きは進んでいます。
2020年7月、高輪ゲートウェイ駅開通に合わせた行われたイベント「Takanawa Gateway Fest」では、期間限定ではありますが、日本のスタートアップ企業「ZMP」が開発を進める宅配ロボット「Deliro」の実証実験が行われていました。
また、2019年に慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)にて、世界初のコンビニ商品の無人配送を行ったことでも話題を集めていました。
このDeliroは、Amazon Scoutと似たように、小型の自動配達ロボットであり、備わっているセンサーやカメラで周囲の状況を把握することで、障害物を回避することが出来ます。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、スーパーやコンビニでの三密を緩和するために、東京都内の都市部にて実証実験を行うことを決定しました。
ニューノーマルなこの社会で無人配達ロボットは、今や、人との接触を避けるための有効な手段としても注目を集めています。
まとめ
インターネットショッピングや、決済手段に関する技術や自動化の進歩は進んでいたものの、配送や受け取りだけは未だに現代的に留まっていると思っていた人も多いと思います。
ネットショッピングの配送だけに限らず、深夜の運送業などは、ドライバーの身体面の安全性が疑問視され続けています。
もし、自動配達を行うロボットが実用化されたら、今まで世の中に漂っていた配送や運搬に関する様々な問題を解決することができるのではないでしょうか。
また、インターネットで商品を購入する私達消費者に対しても商品受け取りの時間が融通利くようになるなど、多くのメリットも生まれます。
実用化には技術の発達だけでなく、法整備や市民の理解も必要となってくるため、もう少しだけ時間が掛かると思います。
しかし、自動配送がニューノーマルとなる日は着実に近づいています。
文:niimi
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文:niimi
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