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マイナーリーグ、ロボット審判導入へ。2021.06.05

マイナーリーグ、ロボット審判導入へ。
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「審判は絶対」この考え方はもう古いのでしょうか。
近年のスポーツ界では、リプレイやチャレンジと呼ばれるビデオ判定が導入されています。
その正確性は実証され、今やビデオ判定は、ほぼ絶対的な判断基準としてスポーツを支えています。
ニューノーマルで目まぐるしく変わるスポーツの業界にスポットを当ててみます。

昨今、「審判も人間」という風潮が浸透すると共に、いっそのこと審判をロボットに任せるべきではないのかという意見も挙がり、絶対的であった審判の地位が崩壊したとも言えるでしょう。
今回は、ニューノーマルと成り得るマイナーリーグで導入されたロボット審判についての話をしていきます。

米野球界におけるロボット審判の導入


野球というスポーツには、多くの根強いファンがいます。豪快なホームラン、巧みなヒット、華麗なファインプレーなど、様々なシーンに多くの人が魅了されているのではないでしょうか。しかし何と言っても、野球の醍醐味は投手と打者の駆け引きです。投手が球を投げた瞬間にプレイは始まります。

2020年米マイナーリーグにて、その醍醐味の判定を担う主審にロボット審判が導入されました

ストライクゾーンの判定には高性能弾道測定器と言われる、トラックマンが使用されています。元々軍事用に開発されたこの測定器は、専用のレーダーによってボールの弾道や回転などをコンピュータ上で分析し、ボールの軌道を追跡することが可能となっています。すごい機能です。ストライクゾーンの判定には、このトラックマンに投手が投じたボールを追跡させ、ストライクかボールの判定をデータによって行うという仕組みとなっています。そして、このトラックマンによって行われた判定を、イヤホンを装着した主審に音声で伝え、コールをするまでが一連の動作となります。主審はコールが出来れば誰でも出来ちゃいますね。

ロボット審判導入の目的

そもそも、なぜ今になって野球界にロボット審判を導入する流れとなっているのでしょうか。それには、曖昧であったストライクゾーンを統一するという目的が存在します。

従来のストライクゾーンの定義は、
「バッターの肩の上部とユニフォームの上部の中間点に引いた水平のラインを上限とし、膝頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間とする。」(公式野球規則より)

難しい表現がされていますが、横はホームベースの幅、縦はバッターの膝から胸元までの空間というアバウトな基準となっています。このように、ストライクゾーンに明確な基準はなく、バッターの体格によって変化をしていきます。また、「NPBとMLBとの判定基準が異なる」「あくまで人間である審判の主観によるもの」という批判の通り、判定を巡るいざこざが今まで絶えず行われています。

そのため、ロボットによって統一されたストライクゾーンを作ることが、ロボット審判の目的として導入されました。

ロボット審判に対する評価

しかし、昨季のマイナーリーグで試験的に導入されているロボット審判ですが、現役選手や野球関係者からは批判的な意見が多く挙げられています。現役MLB選手が、実際のロボット審判による誤審が撮影された動画を、皮肉を込めてTwitterにてツイートするなど、今までのストライクゾーンの基準とはかけ離れた判定が起こる事に対して懐疑的な印象が多く持たれています。これは、「正確に行う」ために導入されたロボット審判が、「正確な判定が出来なかった」ことが1番の問題でした。

ロボット審判の課題

今年から導入された野球界におけるロボット審判の主な課題は、
①選手の体格によって異なるストライクゾーンをどのような基準で定めるか
②判定のコールをどう行うか
この2つです。

そもそも、選手の体格によって異なるストライクゾーンという空間を明確に定めることは現実的に可能なのでしょうか。今回導入されたトラックマンは、今まで軍事ミサイルの弾道測定や、ゴルフボールの弾道測定に使用されてきました。しかし、野球には意図的にボールを変化させる変化球が存在します。MLBという野球のスペシャリストたちがプレイを行う場において、トラックマンは変幻自在な変化球の測定を正確に行うことが出来るのでしょうか。

上記の判定基準の明確化が1つ目の鍵となるでしょう。

2つ目の課題は判定のコールの遅れです。

今回導入されたロボット審判は、コンピュータによる判定を、主審がイヤホンで聞いた後にコールをする流れでした。たかが一瞬かと思われるかもしれませんが、今まで主審が即座にコールをしていた判定を、判定を聞いてからコールをする一瞬のラグに、野球観戦者達は違和感を覚えた様でした。今後ロボット審判を導入するためには、この判定を“主審が口頭で行うのか”“スクリーンなどでロボットが判定をコールするのか”、即座な判定をコールする仕組みも定める必要があります。

まとめ

世界規模で行われるスポーツを、ルールに則った厳格なプレイを行うためには、その場では絶対となる審判の存在が必要です。この絶対的な存在を、ロボットが担うことは、確実に正確な判断を行うテクノロジーが発展すれば、理にかなっていると言えるでしょう。しかしスポーツは人間によるものです。そのため、結果はもちろん、プレイ内容に絶対と言えることはありません。人間という曖昧さにロボット技術がどのようにして追いつくのか。今後のロボット審判の動向に注目は集まり続けるでしょう。

文:niimi

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