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IOCバッハ会長の『オリンピック・アジェンダ2020』とは?2021.05.11

IOCバッハ会長の『オリンピック・アジェンダ2020』とは?
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バッハと言えばG線上のアリアで有名な音楽家のバッハ。でも、このコロナ禍ではIOCの会長ことトーマス・バッハです。

いまや悪の権化のごとく扱われる国際オリンピック委員会の会長トーマス・バッハ。アメリカのワシントン・ポスト紙は、バッハ会長をぼったくり男爵とも表現。東京オリンピックの開催を中止すべきと主張しました。今この状況下で、東京にオリンピック開催を推し進める姿勢に、
「金メッキの偽善者たち」
「東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて前進させているのは金だ」
と痛烈に批判しています。

批判の主な理由は、会場やスタジアムの建設の費用を、開催国が負担する一方、IOC(国際オリンピック委員会)は、オリンピックの開催によって『ライセンスの収益や放映権料』を手にします。それを、この世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの蔓延の中、開催の方針を半ば強引にでも崩さない姿勢に対してです。
そのIOCのトップオブザトップことバッハ会長とはいったいどんな人物なのでしょうか?

バッハはドイツ語で小川。なので小川会長。

トーマス・バッハは、1953年12月29日生まれの現在67歳。国籍はドイツ。ドイツの弁護士でもあり、 第9代国際オリンピック委員会 (IOC) 会長です。いわゆるこれがIOCバッハ会長。1976年モントリオールオリンピックのフェンシング西ドイツ代表選手に選ばれ、ドイツオリンピックスポーツ連盟会長を歴任。母国語のドイツ語の他、スペイン語、フランス語、英語に堪能とのこと。
アディダスがドイツのスポーツメーカーだと案外知らない人もいますが、ちなみにプーマもドイツのブランドで、しかもこの2つのブランドの創設者は兄弟同士です。そのアディダスに1985年、同社の国際関係部局の責任者に就任。その後は、政治経済界にどっぷり。

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敏腕バッハの経歴

 1988年~1990年:連邦経済大臣の中産層顧問団の調整役
 1995年:フィリップ・ホルツマン株式会社の顧問
 1998年:ミヒャエル・ヴァイニッヒ株式会社の監査役会会長に就任
 2000年~2008年:シーメンスの顧問
 2000年~2009年:シーメンス・スイスの取締役会構成員
 2005年~2009年:MANフェロスタール有限会社の顧問
 2008年~2013年:メリウス有限会社の諮問委員会委員長に就任
 2009年~2013年:ニュルンベルク保険株式会社オーストリアの監査役会構成員に就任
 2006年5月:ゴルファ・アラブ・ドイツ商工会議所の会長に就任、IOC会長の就任後に辞任
   ※一部省略

その傍ら、スポーツ団体の職歴も歴任!

 1975年~1979年:西ドイツ・フェンシング連盟のスポークスマンに就任
 1981年:IOCに新設されたアスリート委員会の委員
 1982年:西ドイツ・オリンピック委員会の委員に就任
 1991年:IOC委員に就任し、ドイツ・オリンピック委員会の職を辞任
 1995年:スポーツ仲裁裁判所の控訴部の代表者に任命
 1996年:IOC理事に就任
 2002年:評価委員会の委員長として冬季オリンピック開催地の決定
 2004年:評価委員会の委員長として夏季オリンピック開催地の決定
 2000年~2004年:IOC理事 副会長
 2006年~2013年:IOC理事 副会長
   ※一部省略

こうやって書きだしただけでも、敏腕感がうかがえます。

バッハの代名詞、『オリンピック・アジェンダ2020』

しかし、トーマス・バッハの一番の功績は、『オリンピック・アジェンダ2020』です。
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『オリンピック・アジェンダ2020』は、世界中から寄せられた40,000件以上にも及ぶオリンピックに対する意見書をなんと40項目に集約したものです。2014年IOC臨時総会で、この40項目の改革案のすべてが満場一致で採択されました。このアジェンダ(議題)に基づき例えば、『追加種目制度』や『男女混合種目の増加』、『女子種目の増加』、『複数都市共催大会開催決定』など実際に慣行。アジェンダには脱コンパクト五輪である『主催都市ではない他の都市への分散開催を、開催国家の中で可能とする』アジェンダが含まれています。このアジェンダが守れない場合、開催都市として立候補は行えません。

平たく言えば、近代五輪の新しいルールを彼が中心となって作ったわけです。となると、彼が神で彼が法という、独裁政権のような状態になってしまったということです。

それが、現在のこんなタイミングなのにオリンピックを開催するのか、論争の根本です。なんでもそうですが、権力の一極集中は良くないということが、本当によくわかりますね。幻の東京オリンピックとなるのか、奇跡の東京オリンピックとなるのか、私たちのライフスタイルにも大黄な影響を及ぼすこの決断、ニューノーマルの日本は、さてどちらに転ぶのでしょうか。

文:RIRISEA

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