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イオンのジャスコ商標登録からみるブランディングとは?2021.04.15

イオンのジャスコ商標登録からみるブランディングとは?
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イオンが2021年3月に「ジャスコ」を商標出願しました。若い方には馴染みのないジャスコ。しかし、筆者はミニ四駆世代なのでジャスコは懐かしい響きです。イオンモールは、いまではそれなりにオシャレで『都心まで出ていかなくても良いものが買える』郊外型のショッピングモールとして広く認知されております。そのイオンの前身がジャスコです。ニューノーマルが始まったこの時期に、果たしてなぜあえて昔のジャスコの商標を出願したのでしょうか?

ネーミングは最高のブランディング

ジャスコ名称が消滅後も筆者はしばらく『イオン』とは言えず、『ジャスコ』と言い続けていました。イオンが筆者のなかで定着したのもここ最近の話です。幼少期に覚えた名称はやはり鮮明で、脳裏に残ります。はたまたもしくは、単純に『ジャスコ』の響きがそうさせたのでしょうか。
「ジャスコでも行こうか」
と親に言われて、とてもテンションが上がった記憶は確かにあります。『イオン』もいいですが、『ジャスコッ!』の方がキレがいいですね。

公募で決まったネーミング

JUSCO(ジャスコ)は、Japan United Stores Companyの略称から命名されたそうです。従業員に対して公募で決定したとのこと。英名もカッコいいですね。公募という決め方には賛否両論あります。プロが思案して考えた方がよい場合もあれば、素人の突拍子もないアイデアが新鮮で良かったりもします。この時のケースはうまくいったということですね。

ネーミングを変えることでブランディングを再構築する


ブランディングの観点から考えたときに、スーパーとして馴染みのあるジャスコでは、今後の都市郊外型大型ショッピングモールを新しくつくるときに、難しいと判断したのでしょう。たしかに、近所にある『ライフ』というスーパーが、『プレミアムライフモール』と名付けて、新しい戦略のショッピングモールを展開してもブランディング的いまひとつですね。デザインやアートでもコンセプトはやはり重要であることと同じく、ブランディングの観点から考えるとネーミングを見直し、新業態をスタートすべきです。なので、イオンは、スーパーとしては、マックスバリューやザ・ビッグなどで自社ブランド内の差別化を図っていますね。

死してなおも影響力が・・・

ではなぜJUSCO(ジャスコ)の名称を商標登録しているのか。
調べてみると、ジャスコブランドが消滅後も自社のブランドを守るために商標を取り続けているとのことでした。ジャスコの復活?と一部では噂されていましたがそのような事実はないようです。ただこれもブランディングの観点から考えるとジャスコの名称を使ってイオングループではない他のスーパーや小売店がどこかの町で営業を開始すれば、『ジャスコ=イオン』と根強く残るユーザーに誤解をまねき、イオングループの損失になります。

ネーミングも、デザインもブランディングの中の一つの手法です。心地よい響きと、目に残るインパクト、これに合わさって販売する商品、サービス、接客の質などがトータルブランディングとなります。どれ一つがかけても、ブランディングは成立しません。

ブランディングを考えると、過去現在未来と俯瞰したものの見方がとても重要な要素だということですね。

文:RIRISEA

文:RIRISEA

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