コロナ禍で大学に進学するメリットは?オンライン時代に大学に通う本当の意味2021.01.05
「大学は人生の夏休み」
皮肉とも捉えられるこの例えのように、日本の大学生は遊んでばかりいるというイメージが存在し続けています。
授業が詰め込まれてる訳でもなく、時間が豊富にあるようなイメージが持たれており、その割に「学費が高すぎる」といった声も上がるなど、日本の大学教育システムに対して批判的な人も多いのではないでしょうか。
この批判的な意見はコロナウイルスによって加速しているように思われます。
「オンライン授業なのに授業料を満額支払うことはおかしい」など、元々日本の大学教育に対して不満を持っていた人に加え、実際に大学に通っている人からも批判的な意見を多く耳にします。
以前のようなキャンパスライフが失われ、新しい授業の形が生まれた今だからこそ、大学教育の在り方を今一度考えなおす良い機会かもしれません。
そこで今回は、コロナ禍で大学に進学・在籍する意味とメリットを、実際に従来の対面講義とオンライン講義の両方を経験した大学生の目線から考えていきます。
大学に通う意味
そもそも私達は何のために大学に進学するのでしょうか。
「医者や薬剤師などの代表的な国家資格を得るために専門的な分野を学びたい。」
「海外に対する強い憧れから、絶対に留学に行きたい。」
大学に進学する目的は人によって様々です。
しかし、高校生の頃から明確な目標があり、これを達成するために大学に進学をするという人は少数であり、多くの人が将来にやりたい仕事や目標を見つけることを目的として大学に進学していると思います。
ここで、
大学=就職までの準備期間と定義するならば、専門的な分野を学びたいという学生を除いて、コミュニケーション能力の向上が大学に進学をする目的であると私は考えます。
アメリカなどの欧米諸国では、新卒の就職活動の方法として、オープンポジション制が採用されています。
オープンポジション制とは欠員補充の意味であり、「マーケティング部に3人空きが出たため募集します。」
といったように、社員の入れ替わりが激しい海外だからこそこの方法で就職活動が進められます。
ここでは実務のスキルが備わった即戦力の人材が求められるため、海外の学生は在学中に将来就きたい仕事を行うためのスキルを養うために学びに力を注ぎます。
一方、日本の就職活動では一括採用が主な方法です。
多くの従業員の働き方として終身雇用制が根付いているからこそ、毎年一定数の会社を去る社員が存在するためです。
この一括採用では、実務的なスキルよりも同僚など他者との関わりを重要視しながら長期的に働くことが出来る人材が求められます。
そのため、就職活動時には人間性を重視した面接が行われます。
日本の大学生には、面接時に自分の人間性を存分に伝えることが出来るコミュニケーション能力が求められるのです。
勉強もせずに、サークル活動やアルバイトに明け暮れているというイメージに対して批判的な意見も存在しますが、様々な場所で多くの人との関わりからコミュニケーションを学ぶことは、日本の就職においては必要な事なのです。
大学に在籍する1番のメリット
大学に在籍する1番のメリットは、価値観の変容にあると思っています。
今まで正しいと信じていたことが実は間違いであったり、
本当に苦手だと思っていたことが実は思い過ごしであったり。
今までの人生で身に付けた価値観を大きく変化させることが出来るのが大学という場所です。
価値観とは、他者との関わりの中で大きく変化をするものではないでしょうか。
自分とは異なる価値観や生き方に直接触れ、それらを拒むことなく取り入れることによって価値観の変容は起こると考えています。
大学には、生まれも育ちもバラバラで、自分が出会ったこともない背景を持つ人たちとコミュニケーションを取ることが出来ます。
その為、この価値観の変容が起こりやすい場所なのだと思います。
コロナウイルスで変わった大学生活
感染予防のために校内への立ち入りが制限されたり、周りの友人と意見を交わしながら学んでいた対面講義がオンラインに切り替わるなど、今まででは考えることが出来なかった学びの形になっています。
そのため、1人でパソコンと向き合いながら教授の話を聞く”個で学ぶ”という風潮がコロナウイルスによって強まりました。
そのため、上記のような様々な人と関わる機会が減少し、本来の大学の目的が果たすことが出来なくなったと感じています。
コロナ禍のオンライン講義を受ける価値や、優先順位はそれほど高くないのではないでしょうか。
コロナ禍の時代に大学に進学する新しいメリット
この時代に大学に通うメリット。
それは「自分が学ぶ意味」について真剣に考える機会を得ることだと思います。
オンライン授業というニューノーマルな授業方式に切り替わることで、
「高額な学費を払ってまでこの授業を受ける価値はあるのか」
「自分は何のために学んでいるのか」
といったように、今の学びが本当に役に立つのか、という今までに考えたこともなった疑問を持った人も少なくないはずです。
高校生までは、先生方の手厚い指導のおかげで「勉強はしないといけないもの」だと割り切って、やらされている感覚を持ちながら勉強に取り組んでいました。
しかし、コロナウイルスによって一変してしまった大学生活は、そもそもの「学ぶ意義」について、しっかりと向き合う機会を与えてくれたように思います。
「学ぶ意義」を問うことがこれからの社会に求められる理由
もちろんコロナウイルスの影響もありますが、それでなくとも現代の社会は人の生活様式が大きな変化を遂げており、この変化はこの先も続いていくでしょう。
トヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用を守っていくことが難しい局面に入ってきた」と発言したように、今までのような何となく会社に行き、年功序列に従って給料をもらって暮らすような働き方が通用しなくなっている時代なのです。
そんな時代に重要なのは、逐一自分に求められる能力や行動を熟考し、1つずつ実行していく能力だと私は思います。
この能力を養うために、今のコロナ禍での大学生活は最適な環境なのではないでしょうか。
自分は将来何がしたいのか、社会で生きるためにはどのような力が求められるのかを熟考し、それらを達成するために自分で学び続けることが出来るのが今の大学教育ではないかと思います。
今まで大きな講義室で友人と受けていた授業から、自分1人で受ける個で学ぶという意識が強まったからこそ、自分の目の前の学びの意義と真剣に向き合うことが出来る。
これがコロナ禍における大学に在籍する1番のメリットなのだと私は身を以て感じました。
まとめ
大学とは、特に規制もなく、自由に、自分次第で将来の可能性を広げることが出来る場所です。
この4年間を、高校生の時の様に勉強をやらされている感覚を持ったまま気づいたら卒業を迎えるのか、これからの将来を形成するために必要な準備期間とするのか、どのような時間にするのかは自分次第です。
学び・遊び問わずに、自分のために存分に時間を使うことが出来るのが大学生活の良さだと思います。
この期間を最大限に活用するために、今の大学に不満を持つ人も、「今の自分が大学にいる意味は何だ?」と、こんな時代だからこそ自分自身に問い続けてみましょう。
変化への対応が求められるニューノーマルな時代だからこそ、1番納得することが出来る理由を持って、有意義なキャンパスライフを過ごしていきたいですね。
文:niimi
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