コロナ渦 ひきこもり増加の恐れ 父親の向き合い方2020.10.28
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ある時期から子どもがひきこもりに
これからの時代、自分の子どもがひきこもりに陥ってしまうことは決して珍しいことではないかもしれません。
新型コロナウイルスの感染拡大で各国が都市のロックダウンを行ったことから、世界的にひきこもりが急増する可能性があることが、名古屋大学大学院医学系研究科の古橋忠晃准教授、英国グラスゴー大学神経科学心理学研究所の麻記ルックスビー研究員、グラスゴー大学健康・福祉研究所のハミシュ・マクレオド教授らの共同研究で分かりました。
このひきこもり問題に対して、今改めて考えるべきなのは父親の存在です。これまで、ひきこもり問題となるとその対応は母親に任され、父親は関心が薄いというケースが多い時代が続きました。しかし、ひきこもり問題は根深く、家族一丸となった対応をしなければ、解決することはありません。
今回は「突然自分の我が子がひきこもりになってしまった」、そんなお父さんのために、ひきこもり問題に向き合うための心構え、そして具体的な子どもとの接し方をお伝えしていきます。
問題に真摯に向き合うこと
まず最初に確認したいのは、ひきこもりを自らも関わるべき問題として真摯に向き合っているか、ということです。
ひきこもりの子どもを抱える家庭に多いケースとしてあるのが、父親が仕事で忙しく、子どもとのコミュニケーションが取れていない家庭です。
こういった家庭では、「育児はお母さんに任せる」という教育方針をとっている家庭が多く、事実として相談センターにいらっしゃるのは母親である場合がほとんどです。
ひきこもりの解決には家族全員の協力が不可欠です。
ひきこもりは社会との距離が離れる問題ですから、なによりもまず最も身近な社会である「家族」と距離感を縮めることが解決への第一歩となります。
父親・母親が共に問題に対する共通認識を持ち、ブレない態度で子どもと向き合うことが大前提となってきます。
解決のための2つの接し方
ひきこもりというのはある日突然治ることはありません。
解決のためには、子どもとより良い関わりを築くことが大切です。
ここではひきこもり解決のための2つの接し方についてお伝えします。
無条件の愛情で接すること
甘い対応はしないこと
無条件の愛情で接すること
ひきこもり家庭に多いケースとしてあるのが、親の子どもに対する愛情が条件付きであるケースです。
良い大学に行くこと、有名な企業に就職すること、あるいはスポーツで大成すること。そのような期待を子どもに持ち、塾やスポーツクラブに通わせる。テストでいい成績が取れたら褒める、優秀な中学校に合格したら褒める。
一見、教育熱心で良いご両親のように思えます。
しかし、彼らの子どもに対する愛情は限定的です。親の持つ理想の子ども像に対する、愛情が強いのです。
子どもは親とは別人格です。親の希望が必ずしも子どもの希望と一緒だとは限りません。親の敷くレールがプレッシャーとなり、ひきこもりに陥ってしまうケースは少なくありません。
では逆に、無条件の愛情とはどのようなものでしょうか?
それは子どもの考え、気持ちを尊重し、応援してあげることです。
どんなに些細なことでも、子どもが意思を持って考え、行動したことを肯定しましょう。子どもの意思・行動を丸ごと受け止めましょう。
甘い対応はしないこと
また、両親が甘やかしすぎることもあってはいけません。
ひきこもりの子どもの状態として、「両親と挨拶さえもしない」ということは多いそうです。
しかし、人に会った時に挨拶をすることは、社会生活を送る者として当たり前のことです。こういった当たり前を蔑ろにして、放置する甘さが積み重なった結果が、しばしばひきこもりの種となります。
甘さの最たる例としてあるのが、金銭的に援助し続けることです。働かなくても、勉強しなくても、衣食住と娯楽が担保される。このような状態が長く続くと、外に踏み出す気力は失われてしまいます。俗にいう“ニート”の誕生です。
子どもの年齢にもよりますが、自立した社会生活を送る上で必要な行動、ふるまいに対して、甘い対応をしないことがひきこもり解決のために必要です。
気を付けたい2つの注意点
上記の方法で、子どもと向き合う際にさらに気を付けたいポイントが2つあります。
長期的な目線で向き合うこと
第三者の力を借りること
これらを見落として、ひきこもりの問題をさらに悪化させてしまうことは少なくありません。
長期的な目線で向き合うこと
親がひきこもりに心配しすぎることは、しばしば逆効果を生むことがあります。親の心配や暗い顔は、子どもに伝わるからです。
学校に行けない=ゲームオーバー、ではありません。時代は確実に変わっていて、今では学校に行かなくても、将来の職業的な自立をする手段はあります。
ひきこもりの問題に対して本気で向き合うことは大切です。しかし、直近の問題に悲観的になりすぎることなく、あくまで子どもの長期的な幸せを見据えて、向き合いましょう。
第三者の力を借りること
ひきこもりを両親だけで解決しようとすることは危険です。
親である以上、どうしても子どもの未来に対して「こうあってほしい」という想いが強くなってしまいやすいです。そしてこの想いが強いほど子どもとのコミュニケーションがコントロールしづらくなります。
そのような時に頼ると良いのが、第三者の存在です。
第三者的な立場だからこそ、問題を俯瞰的な立場で見ることができ、適切なアプローチをすることができます。
子どもとの相性はありますが、スクールカウンセラーや自治体の相談窓口を頼ると効果的です。
まとめ
コロナ渦によりひきこもり増加の懸念がある現状に対し、父親の関わり方を見直すというテーマでお伝えしてきました。
ひきこもりの子どもに対する2つの接し方として、
無条件の愛情で接すること
甘い対応はしないこと
気を付けたい2つのポイントとして、
長期的な目線で向き合うこと
第三者の力を借りること
ご理解いただけましたでしょうか。
しかし、大前提として父親に求められることはやはり「ひきこもり問題に真摯に向き合うこと」です。
今後ひきこもり問題が増加することが懸念されている以上、実際にひきこもりの子どもを持つ父親のみならず、「ひょっとしたらひきこもりなのかもしれない」という、ひきこもり予備軍の子どもを持つ父親が正しい対応を身につけることで、問題増加に歯止めをかけられるかもしれません。
ご一読いただいた皆様へ
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皆さんの生活、お仕事をアップデートしていきませんか。
文:maeda
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